相対性理論のほころび掲示板

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Re「改訂新版 双子のパラドックス」 ケース 0 - 管理人

2025/01/15 (Wed) 17:39:15

  再度の訪問ありがとうございます。前回ご指摘のページは私の思い違いがあったので、公開を中止しました。

> 問題文に書かれていないけど、ブードゥーサイエンス星は赤道面に対して面対称…
 そのつもりでした。

> それと相対論業界の慣例に従って、…
 これもそれで結構です。

> …一般相対性理論の手法に基づく計算が必要です。
 なぜ一般相対性理論の手法に基づく計算が必要なのでしょうか? 加速度運動するからでしょうか? もしそうならお持ちでないかもしれませんが、例えば「相対性理論の正しい間違え方」という本では特殊相対性理論だけで計算式を求めています。(但しこの場合は静止系から加速度運動系を見た場合ですが。同じ考え方で特殊相対論だけで加速系から加速系を見た場合を計算してはダメなのでしょうか?)
 重力が働くからでしょうか? もしそうなら重力と加速度運動による慣性力は等価だと言われていますよね。例え等価でも重力による加速度を「相対性理論の正しい間違え方」のようにロケットの加速度運動と同じと見なして計算してはダメなのでしょうか?
 よくご承知の内容だとは思いますが、山形大学の遠藤先生の「よく見る相対論の誤解」によると、
  3.1 等価原理
   上の等価原理を積極的に使うと,次のことが言
  える.すなわち,重力場中の物理を知りたいとき
  には,それと等価な加速度系を考えればよい.特
  殊相対論の成り立つ無重力空間で,加速度運動す
  る観測者を考えるのである.そうすれば特殊相対
  論で扱うことのできる物理に置き換えられる.
  5.1 一般相対論でないと解決できない?
   双子のパラドックスは一般相対論を使わない
  と解決できないという誤解をよく見る.
   誤解を含む解説には次の様な記述がある.
  ・ 特殊相対論では慣性系しか扱えないので,加
  速度運動を扱うことはできない.←間違い
  ・ 加速度運動を取り扱える一般相対論を使わな
  いとこの問題は解けない.←間違い
などから私が対等なパラドックスを考えたのです。どこか間違えて解釈している部分が私にはあるのでしょうか?
 又、例えば「相対性理論の正しい間違え方」では静止系から加速度運動系を見た場合の計算で、微小時間の速度による時間遅れを積分するだけで、慣性力による時間遅れは全く考慮していません。いったいなぜなのでしょう。(私のサイト「加速運動する時計の時間遅れの計算式ではなぜ加速による慣性力の影響を含めないのか?」を参照いただければ幸いです。)

> 正しくは:
> 南子から見ると北雄が先に激突し、南子は後から激突する。
> 北雄から見ると南子が先に激突し、北雄は後から激突する。
 そうなんですか、逆ですか。でも例え逆でもパラドックスは解消しませんよね。

> 考え方や計算方法を工夫して特殊相対性理論の手法だけで求めることは無理です。
 特殊相対性理論だけではダメなのでしょうか? それとも例えば式が複雑で積分出来ないから無理なのでしょうか?
 「相対性理論の正しい間違え方」のような考え方で「加速系から加速系」を見た場合の計算方法が例え分かっても積分出来ない場合もあるかもしれません。その場合は区間をなるべく小さく区切ってコンピューターで全区間を足し合わせての近似計算ではダメですか?

> これで合っているでしょうか?
 あなたの方がはるかに詳しいのに対し、私はバカなので一般相対論が分かりません。その為、合っているかと尋ねられても分かりません。スミマセン。

> 南子と北雄は完全に対等なので、ブードゥーサイエンス星に固定した座標系で考えれば、打ち上げも同時、激突も同時です。
 ですよね。南子(又は北雄)の座標系で考えても打ち上げは同時ですよね。打ち上げの瞬間を過ぎれば、後は例え星の重力は二人に対等でも速度の影響で相手の時計が遅れてきてパラドックスが発生すると思うのですが。違いますか?

Re: Re「改訂新版 双子のパラドックス」 ケース 0 (1/2) - 山川

2025/01/19 (Sun) 20:06:45

詳細にご返答いただきありがとうございます。


>前回ご指摘のページは私の思い違いがあったので、公開を中止しました。

承知いたしました。

────────────────
多くの質問をいただき、本来ならば上から順番に回答すべきかもしれませんが、1個だけ他と毛色が異なる質問があるので先にそれに回答します。

>又、例えば「相対性理論の正しい間違え方」では静止系から加速度運動系を見た場合の計算で、微小時間の速度による時間遅れを積分するだけで、慣性力による時間遅れは全く考慮していません。いったいなぜなのでしょう。(私のサイト「加速運動する時計の時間遅れの計算式ではなぜ加速による慣性力の影響を含めないのか?」を参照いただければ幸いです。)

「相対論の正しい間違え方」は過去に読んだことがありますが、今は手元にありません。よって内容が確認できないので、もしかしたら質問の内容からずれたことを言ってしまうかもしれませんのでその際はご指摘ください。
それで、質問に対する回答ですが、

「慣性力による時間遅れ」なんていう現象はありません。

以上です。が、なぜこのような疑問が生じたかを考えてみました。
もしかしたら、いわゆる「双子のパラドックス」について不適切な説明をしている人がいるのかもしれません。「留守番側はずっと慣性系である。しかし旅行側は折り返すときに慣性力を感じるのでその分だけ時間が遅れる。」みたいな説明がされているとすれば、それはちょっと違います。
時間の遅れについて、重力がゼロの時空の場合と、重力がある時空で静止している場合の2つに分けて書きます。


● 重力がゼロの時空の場合(特殊相対性理論)
観測者から見て観測対象の物体が速さVで運動しているとします。観測者の時間をT、観測対象の物体の時間をtとします。
このときtとTの関係は次のようになります。
[A] 観測者が慣性系のとき
  dt = √(1-V²/c²)dT  … (1)
 (1)式はVのみに依存し、観測対象の物体の加速度は関係ないです。ここで V = 0 なら dt = dT になります。
[B] 観測者が加速系のとき
 速さVだけが与えられても情報不足のためdtとdTの関係は求まりません。大小関係すら決まりません。なぜならdtは観測対象の物体の位置にも依存するからです。
 ここで V = 0 であっても必ずしも dt = dT になりません。

これを踏まえて、無重力の時空における「双子のパラドックス」を簡単に説明するならば、こうなります:
留守番側の視点で考えるときは[A]に当てはまるので、留守番側から見た旅行側の時間は(1)式で求まります。旅行側の加速度が0か否かにかかわらずです。
旅行側の視点で考えるときは[B]に当てはまります。ここで誤って[A]で考えて(1)式を使ってしまうと矛盾に陥りますが、正しく[B]を適用すれば大丈夫です。
要は
×誤「旅行側は、慣性力の分だけ時間が遅れる」
○正「旅行側視点で見ると、慣性力のせいで[A]でなく[B]になる((1)式が成り立たない)」
ということです。
実際、「双子のパラドックス」では旅行側が旅先でUターンするときはどっち側から見ても旅行側(加速系)の時間が遅れますが、出発する際の加速時と帰還する際の減速時は旅行側から見れば留守番側(慣性系)の時間が遅れます。いつでも慣性力がかかる側が遅れるということはありません。


● 重力がある時空で静止している場合(等価原理)
観測者も観測対象の物体も重力場に対して静止している(重力場は定常である)とします。
観測者がいる場所の重力ポテンシャルをΦ、観測対象の物体がいる場所の重力ポテンシャルをφとします。(重力ポテンシャルとは、ニュートン力学でよく gh とか -GM/R みたいに書かれているアレをそのまま使えばいいです。)
観測者の時間をT、観測対象の物体の時間をtとします。
このときtとTの関係は近似的に次のようになります。
 dt = {1 + (φ - Φ) / c²} dT  … (2)
なお、これは1次近似なので、2次以上の項の影響が大きいときはあてになりません。
実際、(2)式を使った後で観測者と観測対象を入れ替えてもう一度(2)式を適用すると、2次以上の項が元に戻りません。厳密な話をしたければちゃんと一般相対性理論を用いる必要があります。

ここで時間に影響するのは重力ポテンシャルΦやφであり、物体に作用する慣性力(重力)の大きさは関係ありません。


● 重力がある時空で観測者や物体が動いている場合 は面倒なので省略します。


(※次の投稿に続きます。)

Re: Re「改訂新版 双子のパラドックス」 ケース 0 (2/2) - 山川

2025/01/19 (Sun) 20:12:14

(※前の投稿から続きます。)

では残りの質問について、上から順に回答していきます。

>> …一般相対性理論の手法に基づく計算が必要です。
> なぜ一般相対性理論の手法に基づく計算が必要なのでしょうか?

引用が省略されている「…」のところに理由が書いてありますが、もう一度書きますと「星の重力が存在している(時空の曲率が0でない)から」です。


>加速度運動するからでしょうか?

いいえ、加速度運動することは問題ありません。


>重力が働くからでしょうか?

はい、そのとおりです。もっと詳しく言うと、場所によって異なる方向の重力が働いているからです。


>もしそうなら重力と加速度運動による慣性力は等価だと言われていますよね。

はい、そのとおりです。
ですがその話には前提条件があって、厳密には空間内のある1点でしか成り立たないし、近似的にも狭い領域内でしか成り立ちません。
これはもともと、試験管内とか実験室内といった、地球(重力源の天体)に比べて十分に狭い範囲のことしか考えていない場面で出てきた話です。

例えば地球の南極点に実験室があって、室内で起きる物理現象を記述したいとします。しかし地球の重力が存在しているからそのままでは特殊相対性理論が使えません。
そこで、地心に向かって自由落下する系(天の北極の方向に1gで加速する系)を考えて、この系を「A系」と呼ぶことにしましょう。実験室系はA系に対して天の南極の方向に1gで加速度運動していることになります。
A系では観測者である自分のすぐ近くで自由落下する物体は自分に対して(ほぼ)等速直線運動するので、無重力であり慣性系とみなせる(近似できる)ので特殊相対性理論が使えます。
すると、まずA系で特殊相対性理論を使って運動方程式等を解いたりして物理現象を記述し、その結果を実験室系(加速系)に座標変換することで、重力がある実験室内で起きる物理現象を実験室系で記述することができるようになります。
「等価」とはそういう意味です。

しかし、A系は南極点付近では慣性系になっていますが他の場所では全然そうなっていませんよね。
A系は天の北極の方向に1gで加速しているのだから、A系から見ると北極点では重力(慣性力)が2倍になってしまうし、赤道では重力(慣性力)が南斜めπ/4㎭方向に√2倍になってしまうし、全然慣性系ではありません。実際、北極点付近で自由落下する物体はA系(の観測者)に対して等速直線運動しないことは明らかです。
このように特定の場所付近でのみ慣性系になるという意味で、こういう系のことを「局所慣性系」といいます。

もしも北極点付近で起きる物理現象を記述したければ、A系ではダメですが南北を逆にした「B系」を考えれば同様に特殊相対性理論を使って記述できます。
しかし、B系で起きる物理現象をA系から見たらどう見えるか、といったことは特殊相対論+等価原理だけでは説明できません(この点は下の方でまた触れます)。
重力を「加速系における慣性力」にすり替えるこの手法が通用するのは、重力が一様とみなせる狭い範囲内で起きる物理現象を扱うときだけです。


>例え等価でも重力による加速度を「相対性理論の正しい間違え方」のようにロケットの加速度運動と同じと見なして計算してはダメなのでしょうか?

本当に等価ならそれでいいです。本問の状況では等価でない(ような広域で起きる物理現象を扱っている)からダメです。
「ロケットの加速度運動によって生じる慣性力」は、「宇宙全体で一様に同じ方向(ロケットの後方)を向いた重力」と等価ですが、「星の重心を向いた球対称な重力」と等価ではありません。


元の本問に戻って考えると、南子は上記のA系、北雄は上記のB系に相当します。
例えば、十分に小さな宇宙船内で静止している南子が、ボールを壁に向かって投げて、跳ね返ってきたボールを受け取るような場面を考えるとします。
等価原理によりA系で宇宙船の重心付近では(近似的にですが)無重力状態になるから特殊相対論が成り立つので、普通の「双子のパラドックス」と同じ状況であり、投げてから受け取るまでの南子の経過時間よりボールの経過時間の方が短くなります。このようにして等価原理を活用して特殊相対論を使うことは問題ありません。
しかし星の反対側にいる北雄の運動を、同じようにA系で特殊相対論で記述することはできません。A系から見て北雄がいる場所は無重力状態ではないからです。だから南子から見て北雄の時間が遅れるか進むかどうなるかを、A系で特殊相対論で計算することはできません。

それならば、B系で特殊相対論を使って北雄の運動(単に静止しているだけですが)を記述し、その結果をA系に座標変換すれば良いではないか、という考えが浮かぶかもしれません。
ただ、ここで改めて考えてみるとおかしなことに気づきます。少なくとも今までのニュートン力学や特殊相対性理論では、慣性系に対して等速直線運動する系は慣性系であり、そうでない系は加速系でした。
そうすると今は、(局所)慣性系であるA系から見ると、B系は加速度運動しているから慣性系ではないことになります。しかしB系から見れば自分こそが(局所)慣性系であり、それに対して加速度運動しているA系は慣性系ではないという話になり、矛盾します。こんな矛盾を抱えたまま無理やり座標変換っぽいことをしても、まったくうまくいく気がしません。

この問題は正に管理人さんが本問で問題提起されている矛盾とたぶん本質的に同じで、ここから得られる結論は「一様でない一般の重力場中の物理現象を特殊相対論+等価原理だけで記述することはできない(矛盾が生じる)。」ということになります(近似的にはできる場合もあります)。
自力でこの発想に至った管理人さんはたぶん頭が良いのでしょう。私は本に書いてあることを理解するだけで精一杯で、自分でこのような場面設定を思いつくことはありませんでした。

それでこの困った事態を解決する理論が一般相対性理論です(他にも理論はあるらしいですが、廃れたようです)。
一般相対性理論では4次元時空に対してリーマン幾何学という数学を適用し、時空が曲がっているという概念を導入することで、本問のような一般の重力場中の物理現象を矛盾なく記述することができるようになります。
矛盾がないからと言ってそれが正しい理論であるとは限りませんが、正しい理論であるための必要条件をとりあえず1つクリアしたということです。

────────────────
いったんここで区切ることにします。残りの質問に回答しようとすると、何度も同じようなことを書くことになりそうだからです。
ここまでで質問の追加・変更等はありますでしょうか。
そのまま続けて残りの質問にも答えろということであればそう仰ってください。

「改訂新版 双子のパラドックス」 ケース 0 - 山川

2025/01/12 (Sun) 19:57:37

こんばんは。
新しい問題 (https://relativity2021lw.web.fc2.com/paradox_twin.html) が出題されたようなので、まずその中の「ケース 0」をやってみました。

問題文に書かれていないけど、ブードゥーサイエンス星は赤道面に対して面対称になっていると仮定しました。
それと相対論業界の慣例に従って、「見る」は「自分に固定した座標系で測る」という意味に解釈しました。(文字どおり「目で視認する」という意味にとるなら、光の伝搬時間を考えると話は変わってきます。)

以下、解答です。どうでしょう。
────────────────
Q. 「南子から見ると南子が先に激突し、北雄は後から激突します。逆に北雄から見ると北雄が先に激突し、南子は後から激突します。
 いったいどちらの見方が正しいのでしょうか?
 なお南子も北雄も自由落下なのでどちらも慣性系です。」

A. どちらの記述も正しくない。
正しくは:
南子から見ると北雄が先に激突し、南子は後から激突する。
北雄から見ると南子が先に激突し、北雄は後から激突する。

[考え方]
この場面設定では星の重力が存在している(時空の曲率が0でない)から、打ち上げから激突までの大域的な運動を求めるには一般相対性理論の手法に基づく計算が必要です。考え方や計算方法を工夫して特殊相対性理論の手法だけで求めることは無理です。

ただし局所的な狭い範囲(近距離、短時間の範囲)内のことであれば特殊相対性理論の手法だけで近似的にある程度のことは言えます。すると、激突時刻付近の出来事はおおよそ次のように説明できます。

南子と北雄は完全に対等なので、ブードゥーサイエンス星に固定した座標系で考えれば、打ち上げも同時、激突も同時です。そして、仮にブードゥーサイエンス星が綿菓子のようにスカスカで、墜落した2人がそのまま地面にめり込んでいくと仮定すると、星の中心で2人がすれ違います。
そう考えると、この問題はすれ違う2者にとって互いに相手の時間がゆっくり進む、という事象に帰着します。これは特殊相対性理論の最初のほうで出てくる事例です。

例えば南子の時計で測って南子が12時00分に南極から打ち上げられ、12時30分に落下に転じ、13時00分に南極に激突し、そのまま落下を続けたら13時02分に星の中心に達すると仮定します。北雄についても同様とします。
すると激突時刻付近では、南子と北雄は互いに相手の時間がゆっくり進むように見えます。例えば相手の時間が自分の時間の0.5倍とすると、自分に固定した座標系の時刻座標と相手の時計の時刻を比較すると以下のようになります。
_自分_│_相手_
12時56分│12時59分
12時58分│13時00分 ←相手が地面に激突
13時00分│13時01分 ←自分が地面に激突
13時02分│13時02分 ←星の中心ですれ違う
13時04分│13時03分
地面に激突する時刻は13時00分なので、どっちから見ても自分の激突より相手の激突のほうが先(過去)になります。

本当は星の重力がある(時空の曲率が0でない)し速度が一定でないので、こんなきれいな1次関数にはなりませんが、近似的にはだいたいこんな感じになるでしょう。

※なお、打ち上げから激突までの時間を星に固定した時計で測るとどれだけになるか(そしてそれは1時間より長いか短いか)といった大域的なことは、本問ではそこまで問われていない思ったので計算してません。
(出題されればやるかもしれませんが。)
────────────────
これで合っているでしょうか?

この問題の趣旨は、特殊相対性理論の「観測者に対して動いている物体の時間は、観測者の時間より遅く進む。」という法則の適用範囲をきちんと意識せねばならない、ということでしょうか。つまり本当は
 ① 時空が平坦(時空の曲率が0) ←これは特殊相対性理論自体の適用条件と同じ。
 ② 観測者は慣性系(慣性力が0)
という2つの条件下でのみ使える法則なのに、星の重力があるため①が成り立っていない状況(=一般相対性理論が必要な状況)で誤ってこの法則を使うとおかしな結論になる、ということですね。
(①は宇宙全体が平坦になっている必要はなくて、関係者(観測者と観測対象)の世界線をすべて含むような単連結な4次元領域が平坦になっていればいいですけど。)

Re「圧力のパラドックス」 - 管理人 URL

2024/09/24 (Tue) 15:45:38

 山川様「相対性理論のほころび」へのご訪問、ありがとうございました。

> 実際はどちらの見方も正しい。

 元々劣っている私の脳ミソは、年を取った今益々劣ってきた次第です。
 それゆえ想定外のお答えを頂いたので、お答えが正しいかどうかは直ぐには判断がつきません。しばらく考えさせて下さい。

「圧力のパラドックス」 - 山川

2024/09/22 (Sun) 22:44:14

初めまして、こんばんは。
2.の1問目の問題 (https://relativity2021lw.web.fc2.com/paradox_pressure.html) をやってみました。
以下、答案です。どうでしょう。

────────────────
Q. 「どの部分の記述が間違っているか」

A. いちばん最後の文「いったいどちらの見方が正しいのだろうか?」という疑問の前提が間違っている。
(前提として(書いてないけど暗に)高々どちらか一方の見方のみが正しいと想定している点が間違っている。)
実際はどちらの見方も正しい。

具体的には以下のようになる。
静子に固定した座標系と等に固定した座標系は異なる慣性系だから、両者の間を乗り移るときは
「位置と時刻」や「運動量とエネルギー」と同様に、「力と仕事率」もローレンツ変換を受ける。

船内の等に固定した座標系で状況を下図のように仮定する。

 f2
 ↓
┝┻┥ ピストンの断面積は S
│オ└┰
│イル┣←f1
└──┸

y
↑(画面手前方向がz)
└→x →→ 等の進行方向 →→

船内の等から見ると、2つの力 f1 と f2 の大きさは等しいから、Fを正の定数として
 f1 = (f1_x, f1_y, f1_z) = (-F, 0, 0)
 f2 = (f2_x, f2_y, f2_z) = (0, -F, 0)
と書くことができる。このときオイルの圧力は F/S で、釣り合っている。
また、2つのピストンがオイルに対してする仕事率(それぞれ P1, P2 と置く。) は、動いていないのだからどちらも0である。

これを船外の静子の座標系(各量を'付きで表す。)にローレンツ変換すると、
 P1' = γ(P1 + v * f1_x) = -γv F
 f1_x' = γ(f1_x + v/c² * P1) = -γF
 f1_y' = f1_y = 0
 f1_z' = f1_z = 0
 P2' = γ(P2 + v * f2_x) = 0
 f2_x' = γ(f2_x + v/c² * P2) = 0
 f2_y' = f2_y = -F
 f2_z' = f2_z = 0
 ただし γ = 1 / √(1 - v²/c²) = 1.25
のようになる。よって静子から見ると2つの力の大きさは |f1'| > |f2'| である。圧力は
 ピストン1の圧力は -f1_x' / S = γF / S
 ピストン2の圧力は -f2_y' / (S/γ) = F / (S/γ) = γF / S
になって両者はちゃんと一致する。つまりオイルの圧力は γF / S で釣り合っており、つじつまが合っている。

このように、2つのどちらの見方でも物理法則は成り立っており、パラドックスはない。
────────────────

これで合っているでしょうか?

書き込みテスト - ローンウルフ

2024/08/15 (Thu) 16:34:05

 書き込みテストです。


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